釧路川調査(男型?女型?)

皆さん川が蛇行するのって知ってますか?
じゃあ,蛇行の形に2種類あるのをご存じですか?

まずは,これ.


優雅な曲線を描いたスムーズな丸みを帯びた形状,これを「女型」と言います.

もう一つは,


なんとなく角ばった,ぎこちない,ギザギザ形,これを「男型」と言います.
これを命名したのはこの分野で有名なイリノイ大学のパーカー先生です.パーカー先生は以前に日記で紹介しましたよね電球

上の2つの写真はどちらもGoogle Earthから切り取った釧路川の写真です.同じ釧路川のごく近い2カ所でどうしてこの2つのタイプが現れるのかexclamation & question
これが,大学院生のTさんの研究テーマです.

今回は釧路に行ってこの2つの蛇行を自分の目で見ようexclamation ×2ということになりました.
でも,釧路湿原はほとんどが立ち入り禁止,もし許可を取って入ったところで,ズブズブの湿地ですからお目当ての場所になんて到底行けるはずがありません.

そこで,今回はまず,湿原内の河川が高いところから見れる場所を探しました.Tさんの事前調査によれば,キラコタン岬

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/ssi/eco-tour/k29.htm

という所から何とか見れるようです.このキラコタン岬,岬と言っても海に突き出した岬じゃなくて,湿原に付きだした岬です.広大な釧路湿原の北のほうにあるので,車でぐるっと回って北側から接近して,後は徒歩で湿原のそばまで行きます.



 


上の写真の2カ所の矢印から蛇行が見れるということで,「熊注意」の小道を車を降りてから30分ほど歩くと現地に到着しました.


初の場所は川のすぐ近くまで行けました.「女型」ですねexclamation ×2 水深や約40cm,流れはとてもゆったりしていました. 

さらに進んで,小高い場所から2カ所目のポイント.こちらは川の近くには行けませんが,斜め上から良く見える「男型」です. 




「うーんげっそり」「何か分かったかなexclamation & question

次に行ったのは,細岡展望台

http://city.hokkai.or.jp/~kkr946/tenbou_hosooka.html


こちらも釧路川の蛇行を見ることが出来ます.車でぐるーっと湿原を迂回して移動します.





今日の見学はここまで.明日は船に乗って現地調査です.

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2日目,今日は川の中から男型・女型の調査です.



お世話になっている専門の調査会社(http://www.suiko.jp/)のご厚意でボートに乗って釧路川の調査に入りました.


全行程はこちらです.約10km程度です.

地形と流速のスーク邸はADCPというハイテク機器で http://www.suiko.jp/technical/file/technical01.pdf 男型・女型の場所の地形測量をしました.



1断面1分位の驚くべきスピードでした.

船の位置はハンディGPSで確認しながら,水深もハンディ測深器で補助的に確認しながら進みます.天気は快晴晴れです. 



蛇行部の外岸部は表面の植生がひさし状に垂れ下がっています.河岸はオーバーハング状態でポールで探ると50cm位の奥行きの括れがあるのが分かります.
河岸浸食とともに,ひさし状の植生付きのブロックが落ちてくると思われます.



内岸は浅瀬に草が生えてきて,陸地化するようです. 



これは,まさに内岸陸地化の卵ですねわーい(嬉しい顔) 



ということで,最後は岩保木水門地点で船を降りました.

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E4%BF%9D%E6%9C%A8%E6%B0%B4%E9%96%80 




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